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住宅街 (東京都内、イメージ)
写真: Syced / CC0 (Wikimedia Commons)

訪問看護に向いている人・向いていない人 ― 合うかは職場で変わる

公開

訪問看護に向いているのは、「利用者さんの暮らしに合わせて考えるのが好きな人」と「わからないことを早めに相談できる人」です。反対に、向いていないと感じやすい点の多くは、性格そのものよりも職場の支え方や働き方で軽くできます。この記事では、よく挙がる特徴を整理したうえで、合う・合わないを見きわめる方法をまとめます。

訪問看護で働く看護師は増えている

厚生労働省の「衛生行政報告例 (就業医療関係者)」によると、訪問看護ステーションで働く看護師は、令和4年 (2022年) 末の70,975人から、令和6年 (2024年) 末には91,022人に増えました。就業している看護師全体に占める割合も、5.4%から6.7%に上がっています。

それでも、看護師の65.7%は病院で働いています (令和6年末)。つまり、訪問看護に移る人の多くは「病院しか知らない」状態からのスタートです。向いているかどうか不安になるのは自然なことで、特別な素質がある人だけの仕事ではありません。

向いている人に多い5つの特徴

1. 生活の中で看護を考えるのが好き

ご自宅では、病院のように物品や環境がそろっていません。手すりの位置、ベッドの高さ、ご家族が介護できる時間帯など、その家の事情に合わせてケアを組み立てます。「この家ならどうするか」を考えるのが楽しい人は、訪問看護の面白さを感じやすいです。

2. 利用者さんの希望を大事にできる

訪問看護計画書は、利用者さんの希望、主治医の指示、心身の状況などをふまえて作り、その主な内容を説明して同意を得ることが運営基準で定められています。看護師の正解を押しつけるのではなく、本人の「こう暮らしたい」に寄り添えることが大切です。

3. 報告・連絡・相談をためらわない

訪問中はひとりでも、仕事はチームです。迷ったときに管理者や先輩へ電話する、主治医やケアマネジャーに早めに連絡する。こうした相談をためらわない人ほど、ひとりの訪問でも安全に働けます。

4. 観察したことを言葉にできる

次に訪問するのは別の看護師かもしれません。「いつもより食事量が少ない」「表情が硬い」といった小さな変化を、記録や申し送りで伝えられることが、チームのケアの質を支えます。

5. ひとりの方と長く関わりたい

訪問看護では、同じ利用者さんのお宅に何か月、何年と通うこともあります。退院後の生活が落ち着いていく様子や、ご家族の変化を見届けられるのは、病棟ではなかなか味わえないやりがいです。

向いていないと感じやすい場面と、その軽くし方

「向いていない」と感じる理由は、人によってちがいます。よく聞く場面と、調整のしかたを並べてみます。

感じやすい不安軽くするための工夫
ひとりで判断するのが怖い同行訪問の進め方と、訪問中に電話で相談できる体制を確認する
夜の呼び出しが負担オンコールの回数、免除できるかを面接で確認する
運転に自信がない社用車の有無、訪問エリアの広さ、移動手段を確認する
家族との関係づくりが苦手担当を複数人で持つか、相談できる先輩がいるかを確認する
記録が多そう記録の方法 (タブレットか紙か) と、記録の時間を確認する

たとえば、ひとりでの判断が怖いと感じる人は、慎重で安全を大事にする人でもあります。その慎重さは訪問看護でも強みになります。必要なのは、迷ったときにすぐ相談できる仕組みです。

「病棟の方が合っている」こともある

急性期の治療にもっと関わりたい、チームの中で多くの患者さんを同時に看る働き方が好き、という人もいます。それは向き不向きではなく、関心の向きのちがいです。訪問看護を選ばないことも、立派な判断です。

迷ったときのセルフチェック

次の問いに、自分の言葉で答えてみてください。答えに迷う項目が、見学や面接で確かめたいポイントです。

  • 病棟で働いていて「退院したあと、この人はどう暮らすのだろう」と気になったことがあるか
  • 患者さんのご家族と話す時間を、負担よりも大事な時間だと感じるか
  • わからないことを先輩に聞くとき、どのくらい待ってから聞いているか
  • 夜や休日の呼び出しについて、家庭の事情でできること・できないことは何か
  • 1日に何件くらいなら、移動と記録を含めて無理なく回せそうか

最初の2つは訪問看護への関心、真ん中は相談のしかた、最後の2つは働き方の条件です。関心があるのに条件で迷っているなら、事業所選びで解決できる可能性があります。

自分に合うかを確かめる3つの方法

  1. 見学や同行で1日の流れを見る: 移動、訪問、記録の時間配分は、実際に見ると具体的にイメージできます
  2. オンコールと夜の働き方を確かめる: 当番の回数と、担当しない働き方ができるかは、事業所によって大きくちがいます。詳しくはオンコールの記事にまとめています
  3. 病棟とのちがいを先に知っておく: 病棟看護と訪問看護のちがいを読んでおくと、見学で見るべきところがはっきりします

私たちのステーションの働き方

参考までに、リンク訪問看護ステーション伊丹の働き方を、採用ページの募集要項とよくある質問から紹介します。訪問看護が未経験の方からの応募も受け付けていて、慣れるまで同行訪問でサポートし、十分に慣れてからひとりでの訪問を始めます。1日の訪問は4〜6件で、訪問ケアの時間は合計5時間程度です。

オンコールは、伊丹事業所では月4〜6日の待機があり、免除も可能です (事業所の公式ブログ、2025年10月の記事より)。移動には社用車を貸与していて、普通自動車運転免許はAT限定でも応募できます。

まとめ

訪問看護に向いているかどうかは、性格だけで決まるものではありません。生活の中で看護を考えることに興味があり、困ったときに相談できる人なら、職場の支え方しだいで十分に力を発揮できます。不安な点がどこにあるかを整理して、見学で確かめてみてください。働く条件をまとめて確認したい方は、募集要項もご覧ください。

よくある質問

人見知りでも訪問看護はできますか?

できます。訪問看護で求められるのは、にぎやかに話すことよりも、利用者さんの話をよく聞き、変化に気づくことです。初めてのお宅では先輩と同行するので、関係づくりの進め方も間近で学べます。

病棟での経験が短くても大丈夫ですか?

経験年数だけで向き不向きは決まりません。ただ、ひとりで訪問するまでの教え方は事業所によってちがうので、同行訪問の進め方や相談の体制を、見学や面接で具体的に聞いておくと安心です。

向いていないと感じたら、すぐ辞めるべきですか?

まずは、何が負担なのかを分けて考えてみてください。オンコールの回数、担当件数、移動の距離などは、事業所に相談すると調整できることがあります。それでも合わない場合は、病棟に戻るのもひとつの選択です。

体力に自信がなくても働けますか?

訪問看護は移動があり、入浴介助などの体を使うケアもあります。1日の訪問件数や移動手段は事業所によってちがうので、自分の体力に合う働き方ができるかを確認してください。パートなど勤務時間を調整できる雇用形態もあります。

出典

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