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曜日別のピルケース (イメージ)
写真: Stevepb / CC0 (Wikimedia Commons)

別表第7と別表第8 ― 厚生労働大臣が定める疾病等と訪問看護

公開

訪問看護でいう「別表第7」は、厚生労働大臣が定める疾病等 (末期の悪性腫瘍、神経難病の一部、人工呼吸器を使用している状態など) の一覧で、「別表第8」は特別な管理を要する状態 (気管カニューレや留置カテーテルの使用、在宅酸素療法、人工肛門、真皮を越える褥瘡など) の一覧です。どちらかに当たると、医療保険の訪問看護で週4日以上の訪問や1日に複数回の訪問ができるようになります。要介護認定のある方が医療保険の訪問看護に切り替わるのは別表第7に当たる場合で、別表第8に当たるだけでは切り替わりません。

「別表」はどこの別表か

正式には、診療報酬の告示である「特掲診療料の施設基準等」(平成20年厚生労働省告示第63号) の別表第7と別表第8です。訪問看護ステーションの料金 (訪問看護療養費) の通知でも、この2つの別表がそのまま引用されています。以下の一覧は、2026年度 (令和8年度) 診療報酬改定 (2026年6月施行) にあわせて出された厚生労働省の通知の文言にそって、読みやすく区切って並べたものです。将来の改定で変わることがあります。

別表第7 (厚生労働大臣が定める疾病等)

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 脊髄小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症
  • パーキンソン病関連疾患 (進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病 (ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))
  • 多系統萎縮症 (線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
  • プリオン病
  • 亜急性硬化性全脳炎
  • ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症候群
  • 頸髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している状態

読むときのポイントは2つあります。悪性腫瘍は「末期」に限られること、パーキンソン病はホーエン・ヤールの重症度分類と生活機能障害度の条件がつくことです。また、難病法の「指定難病」とは別の一覧なので、指定難病であっても、この一覧にない病名であれば別表第7には当たりません。

別表第8 (特別な管理を要する状態)

  • 在宅麻薬等注射指導管理、在宅腫瘍化学療法注射指導管理又は在宅強心剤持続投与指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者
  • 気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
  • 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理、在宅肺高血圧症患者指導管理又は在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている状態にある者
  • 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
  • 真皮を越える褥瘡の状態にある者
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

別表第8は病名ではなく「状態」や「管理」で決まります。在宅酸素療法や経管栄養など、医療機関が在宅療養指導管理料を算定している管理の名前が並んでいるので、指示書や医療機関からの情報で、どの管理を受けているかを確かめることになります。

当てはまると何が変わるのか

医療保険の訪問看護 (訪問看護療養費) では、別表第7・第8に当たる方について、次のような扱いになります。

項目どちらにも当たらない場合別表第7・第8に当たる場合
訪問できる日数週3日まで週4日以上も可
1日に2回以上訪問したときの加算 (難病等複数回訪問加算)対象外対象
利用できるステーション原則1か所2か所まで。週7日の訪問が計画されている場合は3か所まで
退院時共同指導加算1回複数日に指導した場合は2回まで

特別訪問看護指示書が出ている期間は、別表に当たらない方でも週4日以上の訪問ができ、難病等複数回訪問加算の対象にもなります。

別表第8に当たる方には、計画的な管理を評価する特別管理加算もあります (加算の考え方は訪問看護の加算の記事へ)。真皮を越える褥瘡の方について特別管理加算を算定するときは、週1回以上、褥瘡の状態を観察・評価して記録することが求められています。

介護保険との関係

要介護認定のある方の訪問看護は、原則として介護保険です。そのうえで、給付調整についての厚生労働省の通知では、別表第7の疾病等の方は医療保険の訪問看護療養費を算定できるとされています。一方、別表第8だけに当たる方は、特別訪問看護指示の期間などを除き介護保険のままです (くわしくは医療保険と介護保険のちがいの記事)。

介護保険の側にも、特別管理加算の対象となる状態を定めた告示があります。内容は別表第8とよく似ていますが、在宅人工呼吸指導管理や在宅難治性皮膚疾患処置指導管理が入っていない、点滴は「点滴注射を週3日以上行う必要があると認められる状態」と書かれている、など同じではありません。どちらの保険かによって、見る一覧が変わる点に注意が必要です。

看護師として押さえておきたいこと

別表に当たるかどうかは、病名や状態が変われば変わります。たとえば留置カテーテルを抜去した、褥瘡が真皮までに改善した、パーキンソン病の重症度が変わった、といったときは、訪問の回数や保険の扱いも見直しが必要になることがあります。日々の観察と記録が、制度上の判断の根拠にもなるということです。

リンク訪問看護ステーション伊丹では、指定難病、ストマ・褥瘡処置、経管栄養、点滴、人工呼吸器にも対応しています。病棟で神経難病やがんの患者さんを看てきた経験は、在宅でも生かせます。

よくある質問

指定難病の方は、みんな別表第7に当たりますか?

当たりません。別表第7は訪問看護などの診療報酬のための一覧で、指定難病の一覧とは別のものです。病名が別表第7に載っているかを確かめます。

がんの方は、いつから別表第7になりますか?

別表第7に載っているのは「末期の悪性腫瘍」です。末期かどうかは主治医の判断によるもので、指示書の病名や病状の記載で確かめます。

別表第8に当たる要介護者は、医療保険で週4日以上訪問できますか?

別表第8に当たるだけでは、要介護認定のある方は介護保険のままです。急性増悪などで主治医が特別訪問看護指示書を出した期間は医療保険になります。

まとめ

別表第7と別表第8は、訪問の回数・保険・加算の判断に毎日のように関わる一覧です。最初から全部を覚える必要はなく、指示書を受け取るたびに一覧と照らし合わせていくうちに自然と身につきます。対応しているケアや入職後のサポートは、募集要項とあわせてご覧ください。

出典

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