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訪問看護で1人で訪問するのが不安な方へ ― ステーションの支えと確かめ方
訪問看護は、ご自宅に入るときはひとりでも、判断や責任をひとりで背負う仕事ではありません。主治医の指示書、管理者による管理、電話での相談、必要なときの2人訪問といった支えが、制度と現場の両方に組み込まれています。不安を小さくする近道は、その支えが「どのステーションに、どのくらいあるか」を入職前に確かめることです。
「ひとりで訪問する」不安の正体
病棟から訪問看護を考えるときによく挙がるのが、「何かあったとき、隣に誰もいない」という心配です。不安を分けてみると、だいたい次の4つに整理できます。
- 判断の不安: 状態が変わったとき、自分の見立てで合っているのか
- 技術の不安: 久しぶりの処置や、病棟で経験の少ない処置
- 安全の不安: 知らない家に入ること、思いがけない言動に出会うこと
- 孤独の不安: 困ったことを誰にも話せないまま一日が終わること
どれも、訪問中に「誰とつながっているか」「訪問の前後に誰と話せるか」で大きさが変わります。以下で、それぞれを支える仕組みを見ていきます。
制度があらかじめ用意している支え
主治医の指示と、急変時の連絡
訪問看護は、主治医の指示を文書で受けてから始まります。介護保険の運営基準 (指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準) は、訪問中に病状の急変などがあれば、必要に応じて臨時応急の手当を行い、速やかに主治医へ連絡して指示を求めるよう定めています。急変時にひとりで抱え込むのではなく、主治医へつなぐことが最初から仕事の手順になっています。
管理者が全体を見ている
医療保険の運営基準 (指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準) では、ステーションの管理者が従業者の管理や業務の実施状況の把握を一元的に行うこと、また事業者が看護師等の研修の機会を確保することが定められています。訪問看護計画書や報告書の作成についても、管理者が必要な指導と管理を行うとされています。計画づくりの段階から、もうひとりの目が入る仕組みです。
2人で訪問するという選択肢
介護保険の訪問看護には、利用者さんやご家族の同意を得たうえで、複数の看護師等が同時に訪問した場合の加算があります。厚生労働省の資料では、利用者さんの身体的な理由でひとりでの訪問が難しい場合、暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為などが認められる場合などが要件として挙げられています。
一方で、2人で訪問すると利用者さんの負担も増えます。厚生労働省の「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」も、2人派遣は利用者負担の増加を理由に断られることがあるため、ご家族に説明して理解を得ることも考えられる、としています。必要なときに使えるよう、ステーションが説明の手順を持っているかがポイントです。
ステーションごとに差が出る支え
制度は最低限の枠組みです。実際の安心感は、各ステーションの運用で大きく変わります。
| 支えの種類 | 見ておきたい中身 |
|---|---|
| 同行訪問 | ひとり立ちの判断を誰が、何を基準にするか |
| 訪問中の相談 | 電話で相談できる相手と、つながりやすさ |
| 朝夕の共有 | 申し送りやカンファレンスの時間があるか |
| 安全の備え | 訪問先の事前情報、事業所との連絡の取り決め |
| 振り返り | 困った訪問をチームで話し合う場があるか |
同行訪問は「期間」より「基準」
同行訪問の期間は、本人の経験や担当する利用者さんによって変わるため、一律には決めにくいものです。見学では「何週間か」だけでなく、「どうなったらひとりで行くのか」「ひとり立ちのあとも、難しいケースには同行してもらえるか」を聞くと、教育の考え方が見えてきます。
リンク訪問看護ステーション伊丹では、慣れるまで同行訪問でサポートし、十分に慣れてからひとりでの訪問を始める形をとっています。採用ページでは、現在活躍中のスタッフの8割が訪問看護未経験からのスタートと紹介しています。
訪問中に連絡できる体制
ハラスメント対策マニュアルは訪問系サービスの対策として、訪問する職員と事業所が定時または随時に電話で連絡を取れる体制を整えること、管理者等の同行や複数人の派遣を臨機応変に検討することを挙げています。安全のためだけでなく、判断に迷ったときにすぐ相談できる回線としても大切です。
訪問の前後に話せる時間
1日の始まりと終わりに事務所へ集まる時間があると、迷った点をその日のうちに共有できます。リンク訪問看護ステーション伊丹の1日は、8:30の朝礼・申し送りで当日の訪問とご利用者様の情報を確認し、17:00に事務所へ戻って記録・報告・翌日の準備をする流れです。
夜や休日の「ひとり」はどうなるか
夜間・休日のオンコールは、ひとりで電話を受ける時間なので不安が大きくなりがちです。担当の回数、相談の流れ、免除の可否はステーションによって違います。リンク訪問看護ステーション伊丹 (伊丹事業所) では月4〜6日のオンコール待機があり、目安は「2回の待機で1回出動する」くらいの頻度です。オンコール免除も可能で、日勤のみで働いているスタッフもいます。仕組みの全体はオンコールの記事にまとめています。
面接・見学で確かめたいこと
- ひとり立ちは、誰が、どんな基準で判断しますか
- 訪問中に迷ったとき、電話で相談できるのは誰ですか
- 訪問の前後に、情報を共有する時間はありますか
- 初めて行くお宅の情報は、どこまで事前にわかりますか
- 2人で訪問する判断は、どのように決めていますか
- 困った訪問のあと、チームで振り返る場はありますか
ほかの質問は見学・カジュアル面談で聞いておきたい10のことも参考にしてください。
まとめ
ひとりで訪問する不安は、「ひとりで判断しなければならない」という思い込みから大きくなりがちです。実際には、主治医の指示、管理者の管理、相談の回線、必要なときの2人訪問と、支えは何重にも用意できます。あとは、その支えが目の前のステーションでどう動いているかを確かめるだけです。リンク訪問看護ステーション伊丹では、事務所の雰囲気や同行の様子を見学で直接ご覧いただけます。
よくある質問
訪問看護は、最初からひとりで訪問するのですか?
先輩との同行訪問から始めるのが基本で、リンク訪問看護ステーション伊丹も慣れるまで同行します。期間は経験や担当する利用者さんによって変わるため、見学や面接で「ひとり立ちの基準」を聞いておくと安心です。
訪問中に急変したら、ひとりで対応するのですか?
運営基準では、急変時には必要に応じて臨時応急の手当を行い、速やかに主治医へ連絡して指示を求めることになっています。あわせて事業所への連絡の流れを、入職時に確認しておきましょう。
2人で訪問することはできますか?
利用者さんの身体的な理由でひとりでは難しい場合や、暴力行為などが認められる場合には、同意を得て複数の看護師等で訪問する仕組みが介護保険にあります。利用者さんの負担も増えるため、ご家族への説明を含めてステーションとして判断します。
訪問看護の経験がなくても、ひとりで回れるようになりますか?
なります。病棟で身につけた観察やアセスメントは、そのまま生きます。リンク訪問看護ステーション伊丹の採用ページでも、現在活躍中のスタッフの8割が訪問看護未経験からのスタートと紹介しています。
出典
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 (e-Gov法令検索) ― 第69条・第70条・第72条 (主治医との関係、計画書・報告書、緊急時の対応)
- 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準 (e-Gov法令検索) ― 第20条 (管理者の責務)・第22条 (研修の機会の確保)
- 介護現場におけるハラスメント対策 (厚生労働省)
- 介護現場におけるハラスメント対策マニュアル 令和4年3月改訂 (厚生労働省、PDF) ― 訪問系サービスの対策
- 加算・減算の適用要件一覧 訪問看護費「2人以上による訪問看護を行う場合」(厚生労働省、PDF)
- Link訪問看護ステーションの働き方をご紹介します (事業所の公式ブログ、2025年10月15日)


